有事関連法の強行採決に対する抗議文

 「武力攻撃事態法」「安全保障会議設置改正法」「自衛隊改正法」の有事関連3法案が本日6日、参議院本会議で、自民、公明、保守新の与党にくわえて民主などの「賛成多数」で強行可決された。
 私たちは、満身の怒りをこめて抗議する。
専門家も指摘しているとおり、日本が他国から武力攻撃された場合、あるいはその恐れがある場合に、内閣が認定するという曖昧な概念の下での自衛隊という軍隊の行動は、憲法で定める平和主義、第9条の戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認に抵触するばかりか、陣地構築や軍事物資確保のために私有財産の収用や使用、また交通・通信・経済における市民生活や経済活動の規制は、憲法の保障する基本的人権を大きく抑制する重大な懸念が何ら払拭されないまま、短時間での国会のみの審議や、自民党と民主党の密室協議のうえに成立された許し難い暴挙である。
 小泉首相は言う「備えあれば憂いなし」と。「平和なときにこそ有事に備える」と。
そのための基本的人権を守るための法整備をすると。日本を戦争の出来る国にし、そのための準備を整えることとは、戦前の国民総動員体制をつくることであろうか。そしてひとたび戦争に突入すれば、あとは戦時法でもって「人権」はすべて排除されてしまうというのであろうか。
 その危険性は十二分にあり得る。だからこそ、私たちは沖縄戦の歴史的教訓や広島、長崎の原爆体験、あるいは南京虐殺など日本がとってきた過去の侵略の結果から反対をし続けてきたのだ。
 ほんの58年前までの、日本の進んできた過った軍事優先の歴史から、平和憲法はまさに生まれてきた。言いかえれば、多くの国民をはじめアジアの人々の犠牲のうえに生まれたのが平和憲法である。
 小泉首相および政府に対し、私たちは平和憲法を主張する。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民によって存することを宣言し、この憲法を確定する」と。そして第9条の「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と。
 今、必要なのは、日本の有事法制化では決してない。主権在民、基本的人権の尊重、戦争放棄と非武装の国際平和主義を原則とする、この日本国憲法を世界に拡げることである。武力によらない、人間と人間の対話による平和外交を推進することである。 私たちは沖縄から、衆参両院における有事関連3法の強行採決に怒りをこめて抗議すると同時に、同法の廃棄を強く求める。

2003年6月6日

沖縄平和運動センター・有事関連法の強行採決に抗議する県民集会
 






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